H22春IP_中問C_問100

方針案2を進めた場合、[S社の状況]も(1)と(5)に対処することができ、T社が占めていた市場シェアをほぼ確保できる見込みである。市場シェアに基づいて次のような戦略を採った場合、買い取り後のS社の戦略に関する記述として、適切なものはどれか。

Q社の人気商品に類似した健康菓子を商品化し、Q社よりも低価格で販売する。
アレルギーに配慮した健康菓子の生産に特化して、高価格、高収益を目指す。
広告などによって人々の健康志向を高め、健康菓子の需要そのものを増やす。
商品企画に関連する部門に資金を投入して、競争力の高い優れた商品を企画し、販売する。

方針案2:自社の事業の拡大を図るために、T社が撤退する事業を買収する。ここ数年の健康菓子の市場シェアは、Q社 25%、R社 16%、S社 12%、T社 10%、その他 37%である。

[S社の状況](1)営業拠点数が他社よりも少ない。
(5)工場の老朽化が進んでいる。

[解説]
方針案2をS社が進めると、市場シェア12%のS社が、市場シェア10%のT社を買収し、S社の市場シェアは22%となります。市場シェア22%ということはQ社に次いで2位となります。その時の「採る戦略は」、「自社の強みで他社を攻撃」となります。

それでは、選択肢ア〜エのうちどれが「自社の強みで他社を攻撃」に当たるのかを確認しましょう。



Q社の人気商品に類似した健康菓子を商品化し、Q社よりも低価格で販売する。
→Q社より低価格で販売することは攻撃にはなりますが、類似した菓子を商品化したのでは、自社の強みは活用できていません。




アレルギーに配慮した健康菓子の生産に特化して、高価格、高収益を目指す。
→S社の強みは、(3)と(8)。アレルギーは関係ありません。
(3) 競合他社よりも高い商品企画力を持っている。
(8) 顧客の会員化によって顧客情報が集まり、富裕層の会員獲得にも成功している。




広告などによって人々の健康志向を高め、健康菓子の需要そのものを増やす。
→これは「市場全体の規模拡大」であり、市場シェアが1位の企業が採る戦略です。




商品企画に関連する部門に資金を投入して、競争力の高い優れた商品を企画し、販売する。
→高い商品企画力を持っているという自社の強みを市場に出すことが、他社を攻撃することにつながります。→正解